計画研究
光子はそのすぐれた制御性、ならびに自然原子や分子、人工原子とのインターフェイスの容易さなどの利点を有する。本研究では、この光子の特長を活かし、量子サイバネティクスの概念に基づき、光子を用いた量子制御テストベッドを構築する。具体的には、(1)現在幅広く用いられている「フィードバック制御」を利用した量子状態の完全制御、さらに、(2)フィードバック制御における「入力状態」や「検出信号」およびそれらの「比較」デバイスまでをも量子情報化した完全量子フィードバック制御の、光子量子回路による実現を目指す。また、学際融合の観点から、(3)異種量子間状態制御の実現を目標に、ナノフォトニクス技術を利用した光子と異種量子ビットを結合と制御について共同研究を推進する。(1)の既知入力量子フィードバックに関しては、平成22年度、公募研究グループの大阪大学藤原彰夫教授との共同研究として、フィードバックの一種であるアダプティブな制御により、光子の量子状態を効率的に測定する新しい方法の実証実験に取り組んだ。その結果、1つのパラメータ推定に関して、強一致性などの初期的な確認に成功した。また、(2)に関しては、比較部で用いる量子フレッドキンゲートの実験系の設計および、実験の鍵である部分偏光ビームスプリッタの発注などをおこなうとともに、超伝導光子検出器(SSPD,Superconductor Single Photon Detector)の立ち上げを南京大学と共同で行った。また、光子検出器のジッター評価を行うと共に、同時計数測定を行った。(3)に関して、イオントラップを用いる占部グループと相互訪問など行った。
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