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2009 年度 実績報告書

計算解剖学の基礎数理

計画研究

研究領域医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化
研究課題/領域番号 21103002
研究機関東京大学

研究代表者

増谷 佳孝  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20345193)

研究分担者 本谷 秀堅  名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (60282688)
井宮 淳  千葉大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (10176505)
キーワード計算解剖学 / 数理工学 / 情報工学 / 応用数学 / 生体生命情報学
研究概要

医用画像における解剖構造の頑健な認織のために、ランドマークの位置、およびその相互関係をグラフ表現することにより、人体体幹部の空間の正規化、および統計的臓器モデルの空間配置を含む解剖学的知識の記述法を考案し、関連する画像処理技法を開発した。具体的には、各ランドマークに対する検出法、および検出候補からランドマーク間の距離の統計モデルから、正しいランドマークを選択し、画像中に含まれる臓器構造を認識する枠組みについて検討し、実際の臨床データで検証した。検出部分については、GPUによる並列化により100倍程度の高速化が確認された。
また、画像と臓器モデルを非剛体位置合わせする際に、位置合わせの精度も自己評価できる枠組みを構築した。モデルと画像の位置合わせの精度は、臓器表面のコントラストの強弱や、臓器形状の多様性などに依存して変化する。例えば隣接する臓器と接触していて、臓器表面における画像のコントラストが低い位置では位置合わせの精度が落ちる。多数の医用画像に対して臓器の位置合わせを行い、その結果に基づき当該臓器の統計モデルを構築する際、位置合わせ精度の低い位置では統計モデルの信頼度も低下する。画像解析に基づいて臓器の統計モデルを構築する際の基礎を提供できるようになった。
同時に、多数のデータの同時位置合わせの数理モデルを定式化し、「平均レジストレーション」の概念と数値計算法を導いた。これは、個別の臓器に対して、大量の3次元画像データからその平均的な形状を推定し、数理アトラスを構築する算法を与える。また、低解像度からでも高精度にレジストレーションを実現するために、画像の超解像理論を位置合わせと同時に実現する方法を開発した。さらに、臓器の境界を3次元で抽出したものと、2次元断面で抽出した断面境界が幾何学的に異なることを解明し、正しい3次元境界を抽出する手法を開発した。これにより、位置合わせのためのセミランドマークを幾何学的精度を保障して抽出できることになる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] スペクトラルクラスタリングのランダム算法と画像・動画像分割への応用2010

    • 著者名/発表者名
      酒井智弥,井宮淳
    • 雑誌名

      電子情報通信学会和文論文誌D

      巻: J93-D(8) ページ: 1256-1266

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Automated Segmentation Method for Spinal Column Based on a Dual Elliptic Column Model and Its Application for Virtual Spinal Straightening2010

    • 著者名/発表者名
      Hanaoka S, Masutani Y, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Computer Assisted Tomography

      巻: 34(1) ページ: 156-162

    • 査読あり
  • [学会発表] Mathematical Foundations of Computational Anatomy2010

    • 著者名/発表者名
      Masutani Y, Hontani H, Imiya A
    • 学会等名
      The First International Symposium on the Project "Computational Anatomy"
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2010-02-07
  • [学会発表] 確率伝搬法を利用する臓器レジストレーション法とその性能評価2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺航, 本谷秀堅, 渡辺順久
    • 学会等名
      医用画像研究会(メディカルイメージング連合フォーラム)
    • 発表場所
      那覇市ぶんかテンブス館(沖縄)
    • 年月日
      2010-01-29
  • [学会発表] [パネル討論]新学術領域「計算解剖学」何を目指すか?何を期待するか?2010

    • 著者名/発表者名
      小畑秀文, 増谷佳孝, 佐藤嘉伸, 森健策, 他
    • 学会等名
      医用画像研究会(メディカルイメージング連合フォーラム)
    • 発表場所
      那覇市ぶんかテンブス館(沖縄)
    • 年月日
      2010-01-28
  • [学会発表] Two Step Variational Method for Subpixel Optical Flow Computation2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Mochizuki, Y.Kameda, A.Imiya, T.Sakai, T.Imaizumi
    • 学会等名
      International Symposium on Visual Computing 2009
    • 発表場所
      Las Vegas, USA
    • 年月日
      2009-11-30
  • [備考] 新学術領域「計算解剖学」のウェプページ

    • URL

      http://www.comp-anatomy.org/

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2012-10-19  

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