研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化 |
研究課題/領域番号 |
21103002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
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研究分担者 |
本谷 秀堅 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (60282688)
井宮 淳 千葉大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (10176505)
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キーワード | 計算解剖学 / 数理工学 / 情報工学 / 応用数学 / 生体生命情報学 |
研究概要 |
前年度に引き続き、医用画像における解剖構造の頑健な認識を目的としたランドマーク位置、およびその相互関係をグラフ表現し、人体体幹部の空間の正規化、および統計的臓器モデルの空間配置を含む解剖学的知識の記述について様々な手法を検討し、関連する画像処理技法を開発した。 具体的には、各ランドマークに対するアピアランスモデルによる検出法の偽陽性の削減を含めた高精度化、および検出済候補からランドマーク間の距離をL2ノルムをガウス近似した事後確率最大化による組み合わせ最適化によって最終候補を決定する方法を開発し、50例の臨床データで検証し、平均検出率約90%の結果を得た。 また、画像と点群による臓器モデルを非剛体位置合わせすることによる領域抽出において、確率伝搬法による従来の手法に代え、マルコフ連鎖モンテカルロ法による手法を開発し、両者を比較する臨床データにおける大動脈弓を例とした実験において後者の方が高精度である結果を得た。同時に、点群モデルにおける各点の正準相関を解析し、近傍のみならず、遠方においても一定の相関があることを確認した。 同時に、多数のデータの同時位置合わせにおける数理モデルにおいて、前年度の「平均形状」を発展させ、変分に基づく多角形形状の平均の検討を行った。2次元ではあるが、実際の心室形状に対して適用し、良好な結果を得た。この平均の概念は,適切な距離指標が与えられれば、文字列やグラフのようなシンボル列で表現された形状に対しても可能であり、シンボルとセミランドマークで表現されたような臓器形状に対して有用となることを確認した。
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