研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化 |
研究課題/領域番号 |
21103003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70243219)
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研究分担者 |
中本 将彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00380634)
山崎 隆治 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師 (40432546)
多田 幸生 神戸大学, 工学系研究科, 教授 (70135812)
堀 雅敏 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00346206)
富山 憲幸 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50294070)
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キーワード | 計算解剖モデル / 複数臓器統計アトラス / 自動治療計画 / 専門知識統計モデル / 疾患統計アトラス / 直交補空間 / 医用画像理解 / 画像領域抽出ツール |
研究概要 |
個体差を含む人体解剖構造の統計表現である統計アトラス(計算解剖モデル)の表現法、構築法、利用法に関して、以下の4つの項目について研究を進めた。 1. 複数臓器統計アトラスに関する検討 胸腹部には多数の解剖構造(骨格、臓器、血管など)が存在し、それらを同時に統計モデル化することは、限られたデータ数では、個体差を十分に表現しきれない。個々の解剖構造毎に表現した場合、各構造間の関係の整合性の維持ができない。この問題を解決するため、限られたデータ数で表現可能な隣接構造統計モデルを導入し、モデル化する際の最適範囲を決定するため、隣接構造が適切な水準で相関を示す部分領域の範囲を自動推定する方法を開発した。 2. 治療支援向け統計アトラスに関する検討 多数の治療計画データから統計アトラスを構築し、それに基づき自動的に治療計画を生成する方法について、人工股関節手術計画、カテーテル治療計画の2つの応用例について開発および評価を進めた。これら2つの応用を通して、統計アトラスによって、治療計画における専門知識のモデル化ができる可能性が示唆された。 3. 疾患統計アトラスに関する検討 正常構造の個体差表現と疾患に伴う変形成分を分離するために、「直交補空間」という概念の導入を検討した。正常構造を表現する部分空間の直交補空間において疾患成分を抽出することにより、正常個体差による変動と疾患に伴う変形を分離してモデル化できる可能性が示唆された。 4. 医用画像完全理解に向けての画像領域抽出ツール整備 他の計画班(清水班)で開発されたグラフカットに基づく対話的領域抽出ツールと、本研究の統計アトラスに基づくツールを統合し、統計アトラス構築のための学習データを作成するためのツール整備を進めた。前実験により、マニュアルトレースに近い精度の領域抽出を、かなり少ない手間で実現できる可能性が示唆された。
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