研究概要 |
平成23年度の研究成果は,主に以下の四つである. (1)臓器の自動抽出の汎用手順の構築 ・ 異なる臓器領域の自動抽出問題を一つの汎用処理手順で解決するアプローチの提案. ・ 大規模なCT画像データベースに基づく機械学習,類似画像検索などの新しい技術の導入. ・ CT画像から心臓,肝臓,左右腎臓,脾臓の自動抽出実験の実施と抽出手順の性能評価. (2)臓器の形状モデルの構築 ・ MDL法による臓器の確率的形状モデルの構築法の開発 ・ CT画像を用いた心臓,肝臓,左右腎臓,脾臓の確率的形状モデルの構築 ・ 形状モデルに基づく筋肉領域の自動抽出法の提案と改善 (3)FDG-PET画像に基づく人体の代謝モデルの構築 ・ 全身範囲における画素単位での代謝量の統計的分析 ・ 人体の正常代謝モデルの構築 ・正常代謝モデルに基づく異常候補の自動検出法の開発 (4)歯科のパノラマX線写真と眼底写真における計算機支援診断(CAD)システムの開発 ・ 歯科のパノラマX線写真に基づく下顎皮質骨抽出のモデル構築 ・ 眼底写真における緑内障のCADシステムの開発 以上の成果によって,計算解剖学に関する研究の将来像を具体的に示したと考える.また,関連している技術の有効性も検証できた.本研究の応用対象として,救急現場のCADシステムおよび脳MRI画像のCADシステムに対して,出血および異常部位の検出などの成果を得た.
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