研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化 |
研究課題/領域番号 |
21103006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 健策 名古屋大学, 情報連携統括本部, 教授 (10293664)
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研究分担者 |
目加田 慶人 中京大学, 情報理工学部, 教授 (00282377)
北坂 孝幸 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (00362294)
長谷川 純一 中京大学, 情報理工学部, 教授 (30126891)
小田 昌宏 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (30554810)
縄野 繁 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (40156005)
末永 康仁 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (60293643)
二村 幸孝 名古屋大学, 情報連携統括本部, 研究員 (70402477)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 医用画像処理 / 診断支援 / 治療支援 / コンピュータグラフィックス / 視覚情報処理 |
研究実績の概要 |
医用画像から情報を最大限に取り出し、診断・治療のどの段階でも、手術シミュレーション、手術誘導、治療結果予測などを融合的に行うことのできる「ナビゲーション型診断治療融合的支援システム」の実現を目指し、平成23年度までにシステム実現のための基本的手法開発、融合型システム基本機能開発に関する研究を進めた。 本年度は実際の臨床現場で運用可能なシステム開発のため、融合型システム実現に関する、以下の研究項目を設定した。 【計算解剖モデルを利用した臓器認識】大規模医用画像データベースを利用した画像セグメンテーション手法を開発した。 【多種画像知的統合法の開発】外科領域を対象とした画像診断・治療計画作成では、多種高次元医用画像の統合が重要となる。そこで、空間的情報のみならず解剖学的構造情報と計算解剖モデルを利用して多種画像を知的に統合する手法を検討した。計算解剖学基礎を担う研究項目A01とも協力しながら研究を進めた。 【ユーザインタフェースの実現】診断治療融合的支援に最もふさわしいユーザインタフェースを検討し実現する。手術室での利用も考慮し、ユーザの行動を阻害しない音声インタフェース、ジェスチャ型インタフェースといった非接触型インタフェースも検討した。臨床の場におけるワークフローに適した真に使いやすいユーザインタフェースについて重点的に検討した。 【診断治療融合的支援システムの実現】これまでに開発された手法を統合し、診断治療融合的支援のプロトタイプシステムを実現した。また、手術中の内視鏡・鉗子の動きと解剖学的構造の関係を記録する手法を検討した。研究項目A03との連携を強化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
解剖学的構造情報と計算解剖モデルをこれまでに収集した多数の医用画像から構築し、様々な診断・治療手法において利用可能な情報抽出を行った。手術室で利用可能な音声によるユーザインタフェースを実現し、実際に手術時のソフトウェア操作を行った。診断治療融合的支援画像の視点位置移動、回転などの操作を音声操作で実行可能とし、手動操作が困難な手術室においてシステムの操作を可能とした。また、診断治療融合的支援プロトタイプシステムを開発し、診断および治療時に有用な診断情報提示、手術器具の位置計測などの機能を実装した。さらに臨床現場でのシステム運用も開始している。上記のように当初の計画で実現予定であった事項を実現し、臨床現場での診断治療融合的支援プロトタイプシステム運用まで開始していることから、当初の計画以上に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は当初の計画以上に進展しており研究実施計画への変更はない。今後は、診断治療評価手法の開発、プロトタイプシステムの臨床の場における評価、その評価結果に基づくシステム改善を行う。 その中でも特に実空間と仮想空間を統合する手法の実現、診断治療融合的支援手法を計算解剖学モデルを活用しながら評価する手法の開発、プロトタイプシステムにおける3次元プリンタの活用も含めた新しい可視化手法の実現などを精力的に進める予定である。 また、最終年度であるため、他の計画班との強力を進めながら研究成果の取り纏めを行う。
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