研究分担者 |
竹村 淳 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (20297617)
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (40302567)
下総 良太 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (20375786)
堀越 琢郎 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (50456068)
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研究概要 |
研究に必要な死亡時画像のデータベース化のために,データ蓄積用の計算機を購入し,本年度はまず50症例のCT像とその臨床レポートなどを蓄積した.また,このデータベースを用いて,骨組織用Ai-CADと軟部組織用Ai-CADの開発に取り組んだが,得られた主な成果を以下に示す. ・ 骨組織用Ai-CAD まず,抽出すべき画像所見について洗い出した.具体的には,骨折などの死因に直接関係する所見を調べた.次に,画像から自動的に骨領域を抽出するために,アンサンブル学習によって数百から数千の多数の処理を組み合せた一つの骨抽出処理を開発した.その際,症例間のCT値の変動に対して処理がロバストになるように,期待値最大化アルゴリズムや変分ベイズアルゴリズムによる濃度分布のパラメータの推定結果を利用した.また,提案した手法を実際のCT像に適用して有効性について確認をした. ・ 軟部組織用Ai-CAD 本年度は肺に注目したが,まず,骨のときと同様,抽出すべき画像所見について洗い出した.具体的にはがんなどの病変や胸水などの異常所見に注目した.また,死亡時画像特有の血液就下などの所見も同時に抽出した.次に,グラフカットアルゴリズムに基づいて肺野領域を特定する処理を開発した.この際,肺野内に大量の病変が存在した場合にも,それらの影響を受けずに安定して肺野を特定できるよう,肺の形状に関する事前知識を利用可能な新しいグラフカットアルゴリズムを提案した.また,提案手法を実際の症例に適用して有効性を評価した.
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