計画研究
1.Ba気体セルからの二光子対超放射研究超放射過程を用いた準安定状態(D状態)生成研究が進展した。特に準安定状態の状態密度測定の精密化を行い、それを用いて状態密度温度依存性の測定を行った。また準安定状態の縦緩和時間(T1)測定法の開発し、緩和時間の温度依存性を測定した。これらの測定量と二光子対超放射の理論とを比較したところ、対超放射実験を行うに十分な収量が期待できると判明した。2.C60に内包された窒素原子の励起準位同定紫外-光子励起法による励起準位同定実験を行った。この結果C60フラーレン自体の光吸収分解が無視できないことが判明した。より長い波長を用いる二光子励起法に切り替えて励起順位の探索実験を開始した。N@C60製造の高速化および効率化の研究を行い、その結果C60昇華温度の最適化と自動化により、効率が大幅に向上した。3.パラ水素マトリックスを用いた超放射研究(1)コヒーラント・ラマン散乱法によるパラ水素倍音振動励起モードの研究固体水素分子の倍音(v=2)振動モードからの二光子対超放射過程はマクロコヒーラント増幅機構を証明する有力な方法である。このための基礎実験としてコヒーラント・ラマン散乱法により倍音(v=2)振動モードの励起を試み、これに成功した。今後はコヒーランス持続時間(縦および横緩和係数の測定を行い、続いて二光子対超放射研究に移行する。(2)パラ水素マトリックスに単離されたフッ化水素分子からの超放射研究パラ水素にフッ素を導入し、光乖離法によりフッ化水素を作成した。赤外分光により単離されたフッ化水素の分光研究を行い、フッ化水素準位の同定およびその緩和幅の測定に成功した。今後は電場を印加し、Pendular状態の研究を行う。4.その他(1)理論二光子対超放射の理論およびシュミレーション研究を継続した。(2)バリウム原子実験に関連するレーザー高性能化バリウム原子の計画を上回る高密度化に成功した結果、既存レーザーでは正確な密度測定が困難となった。そこでレーザーを高性能化したうえで密度測定の再実験を行った。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Progr.Theor.Phys.
巻: 125 ページ: 149-186
Phys.Lett.
巻: B 699 ページ: 123-128
http://xaw.hep.okayama-u.ac.jp/kakenhi/