計画研究
本研究の最終目標は新原理「マクロコヒーラント増幅機構」を用い、原子からのニュートリノ対放射を観測することにある。世界初の原子ニュートリノ対検出を行い、質量絶対値の決定、質量様式(マヨラナvsディラック)の確定、CP位相の測定など未確定ニュートリノパラメータの決定を展望している。本年度においては、次に記す研究目標の下に実験を継続した。即ち、1) コヒーランスの高い高性能レーザーシステムを用いパラ水素ガス標的よりの二光子対超放射の実験を行い、この過程の発見に努める。2) ゼノン原子を用いたニュートリノ放射に関する基礎実験を進める。3) ヘリウム原子の競合カスケード超放射実験を進め、現象を説明する模型や理論を構築する。この結果、1)については、水素分子振動励起状態(v=1)からの二光子対超放射実験を実施し、コヒーラント二光子カスケード過程の観測に成功した。自然放射の二光子過程に比較し、15桁以上の高い頻度で起っていることが判明している。この結果「マクロコヒーラント増幅機構」の根幹部が実験的検証されたと言えよう。2)に関しては、ゼノン原子の準安定状態を生成することに成功した。3)については、極端紫外自由電子レーザー光による励起ヘリウム原子からの競合超放射実験を実施し、競合過程の観測に成功した。この結果、旧来の理論では説明不可能な現象が存在することが判明し、これを説明する理論の構築を行った。以上多くの成果が得られたが、この中でも「マクロコヒーラント増幅機構」の根幹部を実証したことは格段の成果であり、今後のニュートリノ質量分光に取り大きな礎となった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 9件) 学会発表 (35件) (うち招待講演 10件) 備考 (1件)
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