研究領域 | 多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究 |
研究課題/領域番号 |
21105003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野海 博之 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10222192)
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研究分担者 |
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (30332745)
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キーワード | エキゾチックハドロン / レーザー電子光 / ハドロンビーム / クォーク / ハドロン / バリオン / 共鳴状態 / 偏極光子ビーム |
研究概要 |
本研究は、Θ^+やΛ(1405)といったストレンジクォークを含むバリオンのエキゾチックな状態について生成から崩壊まで包括的に測定し、その属性(質量、幅、内部自由度)を明らかにする。SPring-8のLEPS実験は最低5つの構成クォークからなるペンタクォークΘ^+を世界で初めて見出した。このような従来にないエキゾチックな状態の存在形態を明らかにすることにより、従来の単純なクォーク模型を超えたハドロン形成の新しい描像を得ることができる。ハドロン内の構成クォークやクォーク・反クォーク及びクォーク・クォーク相関に対する理解を深め、クォーク閉じ込めとハドロンの質量獲得の機構解明への糸口をつかむ。 (1)昨年度に引き続きLEPS施設において光子(γ)ビームによるΘ^+やΛ(1405)といったエキゾチックハドロンの分光実験研究を推進した。 (2)実験効率をさらに向上させるため、高エネルギー光子ビーム強度の倍増化を図った。 (3)実験効率を向上させるため、データ収集システムの高速化に取り組む。とくに、検出器の読み出し回路の並列処理化を施し、データ収集効率の飛躍的向上を目指す。そのための回路試作を通しての開発を進める。 (4)米国ブルックヘイブン国立研究所(BNL)のK中間子稀崩壊実験用検出器(E949検出器)を移送する計画を進め、電子回路を輸送した。検出器の解体を進め、ソレノイド電磁石の輸送にめどを立てた。 (5)LEPS2計画の実行計画書が認められ、実験建屋が建設された。 (6)J-PARCにおけるハドロンビームを用いたエキゾチックハドロン実験研究展開へむけた開発研究を推進した。生成されたエキゾチックハドロンの崩壊粒子飛跡検出器と液体重水素標的の開発を行った。
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