研究領域 | 多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究 |
研究課題/領域番号 |
21105004
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
延與 秀人 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 主任研究員 (30213606)
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研究分担者 |
四日市 悟 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 専任研究員 (20360670)
小沢 恭一郎 東京大学, 理学系研究科, 講師 (20323496)
武藤 亮太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50392147)
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キーワード | 実験核物理 / 放射線X線粒子線 / GEM / チェレンコフ光検出器 / 飛跡検出器 / 電子検出器 / カイラル対称性 / 量子色力学 |
研究概要 |
J-PARC原子核素粒子実験施設において物理採択された実験E16のためのGEM電子検出器開発を行った。同実験では、原子核中での中間子質量の系統的測定により、有限密度におけるカイラル対称性の回復について確証を得ることを目的としている。同実験についてGEM電子検出器開発状況をふくめ11回(うち招待7件)の学会発表を行った。 GEM電子検出器は前段:GEMトラッカー部、中段:HBD(ハドロンブラインド:GEMをもちいたガスチェレンコフ検出器)部、後段:鉛ガラスカロリメータ部の三段構成であり、前段/中段がガス電子増幅フォイル(GEM)を用いている。本年度は2度にわたり、東北大核理研において試作機のビームテストを行って基本性能を確認し、またGEMフォイルの改良を行った。 GEMトラッカー部は、 チェンバーへの垂直入射ビームについては要求性能をみたす位置分解能100ミクロンを達成した。一方、分解能の入射角度依存性を抑えるため、読み出しストリップ間隔、電離ギャップ間隔等パラメータの最適化を試みた。なおスタディを要する。 HBD部に関しては、GEMへのCsI光電面蒸着を浜松ホトニクスに依頼して行っている。試作機により、CF4ガスを発光体(長さ50cm)かつ増幅ガスとして用いて、trackあたりおよそ6光電子相当のチェレンコフ光の検出を確認した。目標値は20光電子相当であり、今後、ガス不純物の除去および理研でのCsI蒸着により目標達成を目指す。 GEMの穴径の調整試作によって、従来より安定性の高いカプトン製GEM(50ミクロン厚)の製作に成功し、国内の他のグループでも使用される運びである。また、安定かっ高ゲインと低価格の両立をめざしてLCP製GEM(100ミクロン厚)のウェットエッチングによる試作を行ったが、この方式による量産は断念した。
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