研究領域 | 多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究 |
研究課題/領域番号 |
21105004
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
延與 秀人 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 主任研究員 (30213606)
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研究分担者 |
小沢 恭一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (20323496)
四日市 悟 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (20360670)
武藤 亮太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50392147)
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研究期間 (年度) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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キーワード | 実験核物理 / 放射線X線粒子線 / GEM / チェレンコフ光検出器 / 飛跡検出器 / 電子検出器 / カイラル対称性 / 量子色力学 |
研究概要 |
J-PARC 原子核素粒子実験施設において物理採択された実験 E16 の ためのGEM電子検出器開発と部品の量産を行った。同実験の目的は、原子核中での中間子質量の系統的測定により、有限密度におけるカイラル対称性の回復について 確証を得ることである。同実験について、および GEM電子検出器や読み出し回路の開発状況について、計17件(うち招待講演11件)の 国際会議・学会発表を行った。 GEM電子検出器のうち 前段となるGEMトラッカー100mm角量産型のビームテストでは新開発の小型プリアンプボードを用いて位置分解能をさらに向上することができた。また、後段となる鉛ガラスカロリメータのビームテストでは、目標であるパイオン誤認率10%を達成できることを確認した。 一方、中段になるHBD(ハドロンブラインド検出器)の量産一号機について、J-PARCにおいてハドロンビーム環境でのテストを行ったところ、GEMトラッカーではみられなかった、放電による破壊がおきやすいことがわかった。この2つにはともにGEMが使用されているが、仕様と使用条件が全く異なる。(材質: LCP(HBD)/PI(トラッカー), 厚さ100ミクロンx2段/50ミクロンx3段、ガス:CF4/ArCO2)。このため、年度後半に予定していたGEMの量産を保留した。次に行った 100mm角 PI-50ミクロンGEM3段をもちいたHBDの同環境でのテストおよび理研AVFサイクロトロン室における 300mm角同GEM3段の高バックグラウンドテストにより、放電問題がないことを確認し、HBDの仕様変更を決定した。また、HBD読み出し基板のパッドを小さくすることでパイオンと電子の選別能力を向上させるテストに成功した。 読み出し回路については、上述プリアンプの他、鉛ガラス用ADCモジュールの試作とトリガーロジックボードのテストを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HBDについてGEMの放電破壊問題がおきたが仕様変更で解決した。他は量産と実験実施へ向けて進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
ビームテストによる量産型検出器の性能確認と、GEMおよびリードアウト基板の量産を行っていく。
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