研究領域 | 反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開 |
研究課題/領域番号 |
21106003
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
柳 日馨 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80210821)
|
研究分担者 |
福山 高英 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60332962)
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60566298)
|
研究期間 (年度) |
2009-07-23 – 2014-03-31
|
キーワード | ラジカルカスケード反応 / ジエン合成 / フロー系 / 臭素ラジカル / ホルムアルデヒド |
研究概要 |
これまでに活性な有機ラジカル種を極性効果により高効率反応へと導く制御法の開発を行なって来たが、本年度においては昨年度までの成果を発展させ、多成分系によるラクタム環構築反応について研究展開をおこなった。さらに臭素ラジカルが媒介するラジカル連鎖反応において新たなC2合成素子の活用を検討した。またマイクロフロー型光反応装置によるアルカンの臭素化反応の時間および空間集積化を検討した。 末端アルキンとイミンとを一酸化炭素加圧下にトリブチルスズヒドリドを共存させ、ラジカル開始剤とともに反応させると、2+2+1型環化付加反応が進行しα,β-不飽和型の5員環のラクタムが形成することを見出した。つづいてイミンをアミジンにかえて検討を行なったところ、さらに効率よく同様な反応が進行した。本反応はケテニルラジカル種のアミジン窒素による求核捕捉とつづくラジカルイオン中間体からの電子環化反応による閉環を経た反応であり、複数の活性種が相乗的に協同した結果と考えられる。 臭素ラジカルをメディエーターとする反応としては、スチレンの位置選択的ブロモアリル化反応を見出した。さらに光照射下ビニルシクロプロパンと臭化アリルとを反応させると、開始過程において微量生成する臭素ラジカルが触媒として機能する事により、3+2型環化付加反応が進行しビニルシクロペンタンが得られる事をあらたに見出した。また臭化ビニルのラジカルビニル化反応への活用を検討した結果、1,3-ジオキソランを用いた場合にビニル化反応が良好に進行することを見出した。また、マイクロリアクターの高い光照射効率に期待し、臭素によるアルカン類の光フロー臭素化反応の検討を行った。その結果、極めて短時間でアルカン類のモノブロモ化体を選択性良く得る事に成功した。 これらの集積型ラジカル反応はいずれも先駆的な研究成果であり、以後の研究でその一般化がなされていくものと予想される。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|