研究概要 |
複雑な構造を有する天然物の合成には多工程の変換を要する非効率性が残されており,この問題の解決には単位構造を一挙に連結する「同一時空間反応集積化」が有効である。付加環化反応は環骨格構築における反応集積化であり,[4+2]型反応による6員環構築法は広く用いられてきたものの,中員環を構築する高次付加環化反応の開発は遅れていた。本研究課題では,アセチレンジコバルト錯体の特性を利用した基質設計を行い,[6+2]型や[6+4]型などの新規高次付加環化反応の開発に成功した。さらに,7, 8, 9, および10員環炭素骨格を有する天然物の合成研究においてこれら新反応の実用性を検証した。
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