計画研究
集積化されたアセチレン類の合成と求電子的、求核的、あるいは熱的な連続環化により、他の方法では合成しにくい以下の新規なパイ共役系化合物の合成を行った。デヒドロベンゾ[14]アヌレンへの求核攻撃により誘起される連続渡環環化と二量化によりインデノフルオレン二量体の形成されることを見出している。今年度は求電子剤としてハロゲンを用いた場合には異なる様式の渡環環化が起こり、5-8-5縮環系が選択的に形成されることを見出した。求核的反応と求電子的反応の反応経路が異なる理由について、中間体の安定性を量子化学計算に基づいて見積もることにより明らかにした。この骨格変換に関連して、塩基の作用により脱臭化水素化することで反応系中で発生させたブロモインデノフルオレン中間体の形式的な[4+4]環化付加とそれに続く脱臭化水素によるシクロオクタテトラエン骨格への変換について、反応機構の検討ならびに基質の適応範囲の検討を行った。アセチレンとジアセチレンで架橋された2,2’-ビフェニロファンを合成し、エナンチオマーの単離とラセミ化のダイナミクスについて調査するとともにジアセチレン部の大きなひずみ構造を明らかにした。その近接した三重結合間で熱あるいは求電子剤による渡環環化が容易に起こり、ジベンゾピセン誘導体が得られることを見出した。インデノフルオレンの反応性に関連して、大きな一重項ビラジカル性やテトララジカル性を有するインデノフルオレン類縁体について、立体保護により安定化された誘導体を合成しその構造と物性の調査を行った。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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