研究分担者 |
池田 安隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70134442)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 准教授 (60191368)
辻 健 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60455491)
池原 研 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 副部門長 (40356423)
坂口 有人 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (80304666)
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研究概要 |
熊野沖で3つの航海を実施するとともに(下記1~3),次年度航海における長期熱流量測定用の海底設置機器の調整(下記4)を行った. 1.「白鳳丸」航海において自航式深海底サンプル採取システムを用いて,熊野沖の巨大分岐断層周辺で採泥を行い,強振動変形が断層近傍のみに分布することを明らかにした.また,断層崖下で採泥を行い地震性タービダイト研究試料の採取に成功した.深海曳航式サブボトムプロファイラーを用いた調査では,巨大分岐断層が少なくとも海底面より10m程度の深度にまで達していることが明らかとなった.同じく巨大分岐断層出口では,高密度の熱流量測定を行い断層近傍で周囲よりも有意に高い熱流量値が得られた.さらに長期計測用の自己浮上式熱流量計2台の設置に成功し現在観測を継続している.これらの成果はいずれも巨大分岐断層の活発な運動を示す証拠として意義がある.この他,2004年の紀伊半島南東沖地震時の観測と今回の観測の比較により,地震にともなうメタン湧出現象,海底付近での懸濁層の発達を確認した. 2.「よこすか」航海にて有人潜水艇を用いた海底観察,機器設置を行った.巨大分岐断層出口のバクテリアマット分布域において長期熱流量計2台の設置に成功し現在観測を継続している.また,南海トラフ南側の海洋基盤中に発達した断層沿いの地点では,断層崖とみられる変動地形を確認し,新鮮で急峻な崖の観察および岩石試料採取を行った. 3.「かいれい」航海にて付加プリズム前縁の地すべり域における地形・浅部地下構造探査を実施し,表層堆積層の物性研究用試料の採取を行った. 4.次年度航海で断層近傍に設置予定のケーブル切離装置付海底長期温度記録装置,および海底温度計の調整を行った.
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