研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
21108007
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
張 浩徹 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60335198)
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研究分担者 |
加藤 昌子 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80214401)
小林 厚志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50437753)
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キーワード | レドックス / 液晶 / 白金錯体 / 金錯体 / 電気化学 / 双安定性 / 金属錯体 / 超分子 |
研究概要 |
申請者らはこれまでに電子移動活性錯体の集積化により、分子上の電子的変化と結晶相転移、固液相転移、二重融解挙動等のマクロ現象を同期的に発現するための独自の分子戦略を展開してきた。この様な成果をもとに、本研究「レドックス活性錯体クラスターによる双安定性結晶・液晶・液体場の創成」では、多段階のレドックスを示すクラスター(分子会合体、多核錯体)を創成し、電気化学的レドックス反応による多段階エレクトロクロミック物質や多段階スピン状態の電気化学的変換を実現する。更にこれらのクラスターから成る結晶・液晶・液体場を形成しクラスターレベルの物性変化が固体⇔液晶⇔液体間の相転移や機械的運動、流動性やぬれ性変化等の巨視的物性と同期した多重機能性物質を構築しうる配位プログラミングを発展させることを目的とする。本年度は、これまでに室温で安定なカラムナー液晶相を形成することが知られている白金錯体がその集積構造の揺らぎを示すと同時に基底状態の安定性が同時に変化することを見いだした。これにより特徴的なサーモクロミズムを示すことをその機構と共に明らかにした。また中性の白金錯体液晶に対し、電荷の自由度を付与し、より多彩な電気化学的多重安定化を実現すべく、カチオン性金錯体の合成を展開し、10種の新規金錯体の合成に成功した。合成した金錯体はカチオン性であるにもかかわらず、高い自己会合能を示すことを見いだし、電極上での自己組織化構造の形成に有用な手法を見いだした。最後に、液晶分子の完全配向制御を実現し、合理的な電気化学変換を実現すべく、ルイス酸との超分子形成並びに、電極表面への固定化を指向した新規ホスホン酸修飾分子の合成に成功した。
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