研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
21108012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 健太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40281589)
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研究分担者 |
山田 泰之 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (10385552)
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キーワード | 金属錯体 / 化学空間 / 液晶 / 生体高分子 / 超分子 / ロタキサン / 複核錯体 / 分子デバイス |
研究概要 |
本研究は、金属錯体の自己組織化による階層的な分子集合構造のプログラミングを行い、三次元的な分子組織をもとにした分子デバイスの創製および新しい化学ナノ空間を創製することを目的としている。具体的には、(1)3次元的な空間配置を目的に合わせてあらかじめプログラムし、他種類、多数の分子コンポーネントからなる機能的な精密分子組織を形成することや、(2)金属錯体をモチーフとした階層的分子集積を行い、新しい概念からなるナノ化学空間を組織することで、個々の分子の化学ポテンシャルを操作することによる、メゾスコピックな分子組織内での分子間コミュニケーションの動的制御を行う。これらをもとに、化学反応や分子間相互作用変換をトリガーとした、化学的および物理的デバイスへの展開を行うことを計画した。分子という最小の構成要素を基にした電子素子、反応素子を用い、幅広いデバイスへの展開が期待できる。 研究計画に従い、分子デバイス作成への展開に向けた基盤となる、ポルフィリンやフタロシアニンなどの電子構造を制御しうるコンポーネントをプログラム組織化し、分子素子構築を行った。逐次的なロタキサン形成を利用した金属錯体のプログラム合成を行い、外部刺激に応答して両者の電子的コミュニケーションが制御しうることを明らかとした。また、一義的なナノ空間を形成するように設計した、金属錯体をポリメリックに組織化することで、液晶性を示すソフト金属錯体マテリアルの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までの目標どおりに、分子デバイス作成への展開に向けた基盤となる分子超構造を構築する方法論を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、複数・多種の金属錯体をプログラム配列化して分子素子を合成すると共に、デバイス研究者との共同研究を進めて化学分子デバイスへの展開を図る。また、メゾスコピックなソフトマテリアルの中に構築した化学ナノ空間を分子認識場、反応場として応用する展開を図る。
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