計画研究
5カ年の研究目標は、沈み込み帯における流体相の3次元的な分布(Geofluid map)を、電磁気観測から解明することである。典型的な沈み込み帯である東北日本弧の中央部に位置する宮城県鳴子地域周辺で電磁気(MT:magneto-telluric)観測を高密度に行い、地殻・上部マントルの3次元比抵抗構造を推定する。また、比抵抗構造から流体の量と連結度を推定する為に、含水岩石の高温高圧実験を行う。さらにこれらの結果と、地震波トモグラフィーや粒界物性実験の結果を参考にして、Geofluid Mapを作成し、Geofluid Mapと岩石実験の結果をもとに地殻流体が地震火山活動に及ぼす影響を定量的に解明する。今年度は、鳴子周辺の地殻内の流体分布を詳細に解明するために、広帯域電磁気観測機器を用いて、鳴子の南部で30観測点を面的に配置して観測を実施した。また、上部マントルの比抵抗構造を解明するために、長周期電磁気観測を鳴子周辺で20kmグリッドにて30観測点で実施した。岩石実験に関しては、流体を含む岩石の電気伝導度の手法開発を引き続き行い、当初予定していた流体を封じ込めるための単結晶ダイアモンドカプセルは、表面のグラファイト化により絶縁抵抗が下がることが判明し、ダイアモンドが安定ではない低圧条件においては、流体を含む岩石の電気伝導度測定には不向きであることがわかった。そこで、その代わりに単結晶石英カプセルを使用して、流体に過飽和な石英多結晶体の電気伝導度測定を行った。また、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、「地殻流体国際シンポジウム」は中止されたが、この会議の発展形として平成23年度には、2012年3月18日から21日まで、「国際シンポジウムMisasa-2012 & Geofluid-2」が開催され、最新の研究成果を発表した。
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