研究領域 | プラズマとナノ界面の相互作用に関する学術基盤の創成 |
研究課題/領域番号 |
21110002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺嶋 和夫 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30176911)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | プラズマ / プラズマエレクトロニクス / 超臨界流体 / クラスター / ダイヤモンドイド / 材料プロセス |
研究実績の概要 |
(1)発生と診断: 放電法およびレーザー法による超臨界プラズマクラスター材料プロセスシステムの構築とプラズマ診断材料表面加工プロセス用の超臨界流体プラズマクラスター材料プロセス装置の開発を引き続き行った。放電方法として高圧雰囲気での安定性、制御性に富む誘電体バリア放電をベースにしたプラズマ、ナノパルスプラズマに加え、レーザー誘起プラズマ発生法を主に採用し、プラズマ源の大規模化、ビーム化、高制御化など材料プロセス用の高機能プラズマ源の開発を目指した。今年度は、とりわけ、超臨界流体ヘリウムプラズマの発生、および、流量制御型のフロー式超臨界クラスター流体プラズマ装置を新規に導入して、安定的な発生とその診断を進めた。後者の研究では、主にXe,CO2系超臨界プラズマクラスター流体の創製を行い、そのプラズマ発生特性(ガス圧、電力、電圧など)について調べ、分光法などによりダイヤモンド分子創製との対応関係を明らかにした。 また、ナノ秒レーザー誘起プラズマの時間分解能発光分光、シャドウグラフ法も行い、超臨界臨界点付近のプラズマの特異性やダイヤモンド分子創製との各種プラズマ種との対応関係などを検討した。
(2)プロセス応用: 以上のプロセス装置を用い新規ナノマテリアル物質、とりわけダイヤモンド分子の探索を行った。プロセス状態の分析、合成物質の同定には、現有のXPS、TEM、FE-SEM、 ラマン分光、プラズマ発光分光、質量分析装法、などを用い、新規ダイヤモンド分子、ナノ物質の探索を行った。 とりわけ、従来法の30倍以上の収量の増大が達成されるとともに、質量分析法から、メチルアダマンタンなどの低次のダイヤモンドイドにメチル基が幾つか付加した分子の生成が確認され、水素基がメチル基に置換されることで高次のダイヤモンドイドに逐次成長していく機構が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度は、各種の新しいプロセス診断システム、プロセス装置の構築、および、それらを用いた実験が順調に進んだ。これらの成果は、学術雑誌への発表などを通じて一部公表されるとともに、今後、順次公表していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトの最終年度にあたる25年度は、24年度までの成果を踏まえて、各種プロセス、および、プロセス場のプラズマ診断を進め研究のまとめを行っていく。
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