計画研究
液中に多数の微細気泡を導入し,各気泡内でのプラズマ生成を実現する三次元集積化マイクロソリューションプラズマ(3D-IMSP)のプロトタイプを改良することにより,メチレンブルーの分解効率を,従来のゼロ次元ソリューションプラズマに対して,約16倍まで向上させることに成功した.また,分解効率の印加電圧依存性の調査から,寄生放電がまだ残存しており,その抑制によって更なる効率向上が期待できることを明かにした.また,3D-IMSPからの発光を,時間分解分光法を用いて調査した結果,3D-IMSPに外部からArを供給していることにより,Hラジカル,OHラジカルの生成経路として,H2Oの電子衝突解離以外にも,準安定のAr(3P)とH2Oの衝突によるHラジカル,OHラジカルの生成経路があり,これが3D-IMSPの高効率化につながっている可能性を明かにした.また,時間分解発光分光と気相反応の計算機シミュレーションにより,H3O+と電子との解離性再結合も,放電終了後の気相中において,OHラジカルの発生に大きく寄与していることを明かにした.更に,気液界面に形成されるナノ界面である電気二重層の時間空間的挙動を,計算により調査した結果,3D-IMSPにおいて電圧を印加した後,プラズマが生成・存在している数百ナノ秒後の時間帯では,電気二重層がほとんど形成されておらず,ラジカルだけが生き残っているミリ秒の時間帯において電気二重層が形成されていることを明かにした.また,液中での輸送係数が小さい方のイオンが液面直下に残留し易く,気相からの化学種の作用を半選択的に受ける可能性があることを計算により明かにした.これらと並行して,Er:YAGレーザを用いた新たな気液混合相プラズマ生成法を検討した.プラズマ生成による明確な発光を検出するには至らなかったが,過酸化水素の発生を確認した.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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