研究領域 | プラズマとナノ界面の相互作用に関する学術基盤の創成 |
研究課題/領域番号 |
21110004
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 浩一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50235248)
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研究分担者 |
越崎 直人 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 上席主任研究員 (40344197)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 多相混在プラズマ / レーザー / アブレーション / ナノ材料 / 超臨界状態 / 液相 / キャビテーションバブル / 高圧相材料 |
研究実績の概要 |
本計画の4年目にあたる平成24年度には,以下の4項目の研究を実施し成果を挙げた。 (1)キャビテーションバブルによるシャドウグラフ像の高速動画撮影:高速度カメラを用いて,キャビテーションバブルによるシャドウグラフ像を高速動画撮影した。これまでに把握していたキャビテーションバブルの膨張・収縮・崩壊運動を確認したが,主なキャビテーションバブルの他に定在する小さなシャドウが新たに観測された。 (2)レーザー誘起反応場のレーザー散乱計測:3重回折格子分光器の調整を進め,レーザー誘起反応場におけるレーザー散乱計測の実験装置を構築した。レーザー誘起反応場に散乱計測用のレーザー光を打ち込み,キャビテーションバブルに相当する空間からは水のラマン散乱光が観測されないこと,および,アブレーション後長時間が経過するとキャビテーションバブルに相当する空間からナノ粒子に起因する可能性のある散乱光を観測した。 (3)水中レーザーアブレーションによるブルッカイト型酸化チタンの合成:高温高圧水中に設置したチタンターゲットへのYAGレーザーパルスの照射によりブルッカイト型酸化チタンが合成されることを見出した。プロセスパラメータを変えた探索的実験から,高すぎる水温および高すぎるレーザーフルエンスがブルッカイト型からルチル型への転移を誘発することが見出された。 (4)金とコバルトのナノ粒子を原料とし,それらを分散させたアルコールにYAGレーザーパルスを照射することにより,数100マイクロメートルサイズの真球状の金・コバルト合金粒子を合成することに成功した。コバルトの存在比率はレーザー照射時間が長くなるにつれて増大した。金とコバルトは互いに非相溶性であり,通常の熱力学的プロセスではほとんど合金相が生成しないことが知られている組み合わせであることから,本プロセスの特異性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した研究項目については,ほぼ順調に研究が進行し,それぞれについて成果が得られている。難易度が高いと予想されていた研究項目に関しても,平成24年度の研究により進捗への目処が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
中間審査で課題として指摘された「計測とプロセスを結び付けてのナノ界面場の創出の明確化」については,一例として,反応場の圧力制御により生成されるナノ粒子の結晶構造に影響を与えられることおよびそのときの反応場の変化に関する理解が得られているが,平成24年度の研究により進捗への目処が得られたレーザー誘起反応場のレーザー散乱計測に関して有意な結果が得られれば,さらに進んだ成果となるものと考えられる。また,全体を通じての目的のひとつである新しい材料合成技術に関する応用展開についても,最終年度でこれまで以上の成果を出していきたい。
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