研究領域 | プラズマとナノ界面の相互作用に関する学術基盤の創成 |
研究課題/領域番号 |
21110005
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白谷 正治 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (90206293)
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研究分担者 |
古閑 一憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (90315127)
内田 儀一郎 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (90422435)
鎌滝 晋礼 九州大学, 基幹研究院, 助教 (60582658)
SEO Hyunwoong 九州大学, プラズマナノ界面工学センター, 助教 (00618499)
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キーワード | プラズマ局所反応場 / ナノ界面制御 / 相互作用 / トップダウンプロセス / ボトムアッププロセス / 揺らぎ / コンビナトリアル摂動解析 / ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究では、サイズ制御したナノ粒子を孤立保持してプラズマとの相互作用を観察するプラズマ局所反応場を創成し、コンビナトリアル摂動解析法を確立してナノ界面・プラズマ相互作用を「見る」ことを目的とし、(1)プラズマ局所反応場の創成、(2)コンビナトリアル摂動解析、(3)ナノ粒子物性in-situ計測の3項目について研究を行う。コンビナトリアル摂動解析法では、パラメタに摂動を加え関数Gをテーラ展開し、パラメタ依存性を明らかにする。特に、複数パラメタに同時に摂動を加え、一度に複数パラメタへの依存性、シナジー効果、安定性等を解明することが可能である。 平成23年度は、(2)コンビナトリアル摂動解析について、放電電力変調を用いた、ラジカル密度揺らぎとナノ粒子成長揺らぎの相関についての検討を行うとともに、(3)ナノ粒子物性in-situ計測について、レーザー微粒子捕捉による、微粒子とプラズマの相互作用評価を行った。 ラジカル密度揺らぎとナノ粒子サイズ揺らぎの相関検討では、初期成長過程におけるナノ粒子成長について、ナノ粒子密度とイオン密度の密度比とナノ粒子サイズを用いたナノ粒子成長の相図を作成して、ナノ粒子成長が正帰還、負帰還、無帰還の3つ成長モードに分かれることを明らかにした。この結果は、ラジカルの揺らぎがナノ粒子成長の揺らぎに作用すること「見る」ことに成功した世界初の結果であるとともに、ナノ界面精密制御に関する新しい手法を提供するものであり、プラズマを用いたトップダウンプロセスの発展に寄与する結果である。 レーザー微粒子捕捉による、微粒子とプラズマの相互作用評価では、レーザートラップした微粒子サイズの放電時間依存性を明らかにし、Arイオンエッチングによる粒径結果のその場計測に世界で初めて成功した。この成果はナノ界面とプラズマの相互作用をその場で「見る」ことを実現するための重要な成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1)プラズマ局所反応場の創成、(2)コンビナトリアル摂動解析、(3)ナノ粒子物性in-situ計測について、現在までに、項目(1)を既に実現、項目(2)についてラジカルの揺らぎがナノ粒子成長の揺らぎに作用すること「見る」ことに成功するとともに、プラズマを用いたトップダウンプロセスの精密制御に関する新しい指導原理となり得る成果を得て、当初の計画以上の進展を見た。項目(3)についても、微粒子とプラズマ作用のその場計測に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、(2)コンビナトリアル摂動解析については、振幅変調放電時のナノ粒子の振る舞いとナノ粒子とラジカルの素過程を明らかにするとともに、(3)ナノ粒子物性in-situ計測については、微粒子のサイズ以外の物性についてのその場計測を行い、微粒子とプラズマの相互作用のその場計測を行う。
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