研究概要 |
急峻な立ち上がりを有するナノ秒パルス放電による非熱平衡プラズマは,雰囲気流体を乱すことなく,放電による活性種を提供できる可能性がある。本年度は,同軸円筒状電極を有するナノパルス放電形成・化学反応装置を新たに設計・製作し、超臨界二酸化炭素中や超臨界アルゴン中におけるパルス放電特性の計測を行った。また本装置を用いて、アミノ酸のモデル化合物としてアラニンを選定し、パルス放電プラズマによるアラニンの重合化(オリゴペプチド合成)を目指した実験を通じて,超臨界流体中で形成されるナノパルス放電プラズマがアミノ酸と作用し、重合反応を生起する世界に前例のない新規な反応場の確立を目指した.同軸円筒対ワイヤー電極とすることにより,放電エリアが大幅に拡大し,反応効率の大幅向上が期待できる。また、コロナ状放電が確認できたまた,反応容器の構造・体積・電極が異なる小型プラズマ生成装置を用いたアラニン等のモデル化合物の超臨界流体なのパルス放電反応実験も行った。超臨界二酸化炭素中や超臨界アルゴン中におけるパルス放電プラズマによるアラニンの重合化(オリゴペプチド合成)を目指した実験を通じて,超臨界流体中で形成されるナノパルス放電プラズマがアミノ酸と作用し、重合反応を生起する世界に前例のない新規な反応場の確立を目指した.MALDI-TOF-MSのピロール処理後から、高分子量化合物(ピロールのオリゴマー:130~440AMU)が形成された。水面システム中パルス放電プラズマは排水の有機汚染物質や染料(オレンジG、オレンジII、コンゴレッド、ナプトールブルー)を分解するのに有効であった。脱色率が増加し、電界エネルギーの増加によりピークパルス電圧およびパルス数とともに増加した。
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