研究領域 | 背景放射で拓く宇宙創成の物理―インフレーションからダークエイジまで― |
研究課題/領域番号 |
21111002
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
羽澄 昌史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20263197)
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研究分担者 |
田島 治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (80391704)
吉田 哲也 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (50222394)
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キーワード | 宇宙背景放射 / インフレーション / 重力波 |
研究概要 |
インフレーション宇宙の検証は、現代宇宙論の最大の課題である、本計画は、インフレーションの直接の証拠となる原始重力波の検出を目的とする。原始重力波が宇宙背景放射(CMB)に残した特殊な偏光パターンを「犯人の指紋検出」のように見つけるという「CMB偏光Bモード法」を用いる。プロジェクトとしては、チリ・アタカマ(標高約5000メートル)における観測実験QUIET-IIとPOLARBEAR、および将来の小型科学衛星のための開発の3つを推進する。平成21年度は、初年度ということで実験準備が主な活動となり、装置購入や実験の基礎デザインが主たる作業であった。以下に3つのプロジェクトの各々について進捗状況を簡略に説明する。 ○QUIET-II:データ取得システム全体の仕様設計に着手し、概要を決定した。これと並行してADCシステムプロトタイプの試験のためのシステムを準備した。さらに、偏光計システムの統合試験のための装置や実験本番で用いるクライオスタットの冷却システムなどを購入した。 ○POLARBEAR:カリフォルニア大バークレー校が主に担当するレシーバー1号機の試験に現地で参加し、十分な基礎性能が得られることを確認した。実験本番で使用するレシーバー校正用機器(スティミュレーター)を開発し、性能評価を行った。KEKが主に担当するレシーバー2号機の概念設計を行い、冷凍機システムの選定と購入を行った。 ○小型CMB衛星用焦点面検出器プロトタイプシステム:焦点面検出器の基本仕様に関する計算、シミュレーションを計画研究A02と連携して進めた。 ○予算の繰り越しにより、平成22年4月-23年1月の間、POLARBEAR実験冷却システム用に、断熱消磁を原理とする冷凍機の設計・開発を行った。
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