研究分担者 |
川崎 雅裕 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (50202031)
横山 順一 東京大学, 理学系研究科, 教授 (50212303)
早田 次郎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00222076)
辻川 信二 東京理科大学, 理学部, 准教授 (30318802)
向山 信治 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (40396809)
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研究概要 |
今年度は主に4次元理論でのインフレーション宇宙モデルに関する研究で大きな成果があり,新たに約60編の論文を発表した.その中で特筆する成果は次の通りである. 1.インフレーションモデルの現象論と宇宙ゆらぎ:ハイブリッドインフレーションモデルについて,あるパラメーター領域で観測と整合的な赤いスペクトルの曲率ゆらぎが得られることを解析的に示した[小玉,中山,郡],ゲージ場の結合係数が指数型のモジュライ依存性をもつ系に対して非等方インフレーション宇宙の厳密解を構成し,それがアトラクターとなることを示した.さらにCMB観測によりその検証が可能であることを示した[早田].インフラトン1成分系での量子論的IR発散は,初期条件がスケール不変なら,ゲージ不変量では現れないこと,さらに多成分系でのIR発散はこの方法では処理できないことを示した[田中].ガリレオン場によるインフレーションモデルの構築とゆらぎの計算,標準モデルのヒッグス場を用いたモデル例の構成[横山].f(R,G)重力理論におけるゴーストの存在を指摘[田中].宇宙ひもキンクからの重力波による宇宙背景放射Bモードの評価[川崎].局所ボイドモデルでの重力レンズ効果によるBモードの評価[小玉].最も一般的な修正重力理論に対する摂動論を定式化と安定性解析[辻川,向山]. 2.4次元超重力理論に基づく宇宙モデル:宇宙観測の示唆する余剰輻射成分に対する大統一理論モデルの構成[中山,高橋].アクシオンひもからのアクシオン放出を考慮するとQCDアクシオンに対する質量制限が強くなることを指摘[川崎,横山].非標準運動項をもつ超重力理論において高エネルギースケールインフレーションモデルを構築[高橋,中山].
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