計画研究
X線小角散乱法(SAXS法)による動的構造解析では、分子動力学シミュレーションにより得られるモデル構造が非常に多く、それを制限する実測のSAXSデータが不十分であることからOver-fittingが大きな問題となっていた。そこで、本年度は昨年度に引き続きSAXSと補完的な構造情報が得られるNMRに着目し構造データの収集を行った。古細菌由来Hefタンパク質を対象に、十分な残余化学シフト異方性(RDC)データを得た。これまでに取得したSAXSデータ、NMRによる化学シフト値、及び今回のRDC値のデータをもとに現在分子動力学計算と組み合わせた解析を進行中であり、Hef天然変性領域の原子レベルでの動的構造解析が見込まれる。一方、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)による天然変性領域の動態解析の研究では、NTAIL, PNT and Sic1の3種についてID領域を解析し、Compact-Extended状態を遷移する領域を見出し、アミノ酸1残基当たりのcompactness(大きさ)とcompact状態を取る割合に相関があり、また、疏水性アミノ酸含有率とも相関があることを見出した。この成果は現在論文執筆中。細菌べん毛フックの長さを決めると言われているFliK のID領域解析結果に基づき、フックの長さ決定機構のモデルを構築した。この成果は現在論文投稿中。Rett症候群に関係するメチル化DNA結合タンパク質MeCP2のID領域解析を完了し、次にMeCP2によるDNA凝縮過程の高速AFM撮影を行った。その結果、柔らかいID構造を利用したDNA凝縮機構を見出した。更に、その凝集機構の詳細解析、及び、Rett 変異体とDNA凝集能との相関解析を現在進めている。また、転写制御に幅広く関わる巨大なCBPとp300の解析も進めている。これらの解析を完了次第論文にまとめる計画である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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