計画研究
・ヒストンH2A/H2B 2量体のテイル部分の挙動の多様性がイオンモビリティ質量分析(IM-MS)で観測される衝突断面積の分布の多様性を生み出していることが MDシミュレーション推測された。そこでテイル部分のアセチル化およびテイル部分の欠損変異体を調製し構造分布への影響を調べた。その結果、荷電状態に関わらず、天然変性領域が、IM-MSでの構造多様性を生み出していることが示唆された。・天然変性蛋白質PQBP1、スプライシング因子U5-15kD、U5-52KのGYFドメインから成るヘテロ三量体の立体構造をX線構造解析によって決定した。その結果、U5-15kDとU5-52Kは主に水素結合によって結合していることがわかった。また、表面プラズモン共鳴実験により、PQBP1のYxxPxxVLモチーフとU5-52KのGYFドメインが同時にU5-15kDに結合することを示した。・Sox2 HMGドメインは、37℃で第3ヘリックスを除いてアンフォールドしている。37℃におけるSox2の構造ゆらぎをNMRで解析したところ、第3ヘリックスも過渡的にアンフォールドしていた。またDNAに対する滴定実験では、非特異的なDNA配列と特異的な配列ともに同じような化学シフトの変化が見られ、さらに非特異的なDNA配列を加えると、過渡的に大きく構造変化していた。以上より、Sox2は、特異的なDNAとの結合構造に似た構造で、かつ揺らぎながらDNA上をスライドしているものと考えられる。・組換えヒストンのH2A/H2B2量体中の構造をNMRとMD計算で解析した。ヌクレオソームコア中の構造と比較ではH2Bの骨格構造は同じであったがH2AのN末とC末のαヘリックスが2量体中では壊れていた。ヒストンシャペロンのヒトNAP1のC末の天然変性状態の酸性ドメインはH2A/H2Bは特異的に結合し、結合に伴ってH2AのN末のαヘリックスの形成が誘導された。またヒトNAP1の酸性ドメインとの相互作用領域がH2A/H2B上に2箇所存在した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (24件) (うち招待講演 7件)
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