研究概要 |
昨年度準備したデータベース作成環境を用い、天然変性タンパク質についてのアノテーションを開始した。しかし、実際にアノテーションを開始するとツールの使いにくい部分、XMLフォーマットの不都合等がたびたびあらわれた。これらの問題点を修正しながらアノテーションをすすめ、11月に二日間代表者・分担者・ポスドク・アノテーターが名古屋にて一同に会し、これまで行ってきたアノテーション・データベース構造の妥当性、等を議論した。いろいろな問題に直面しながらも、今年度の目標である100タンパク質のアノテーションを行うことが出た。また、データベースを実際に公開する時に利用するインターフェースの設計などを行い、ひな形を作成した。また、NMRの構造データから天然変性領域についての情報を取り出すための方法を開発、検証した(太田、福地)。 計画研究班AO2石野班「核内ネットワークを制御する天然変性タンパク質の機能発現」との共同研究として,膜融合タンパク質を用いたPRESATベクターによる天然変性実証系を用いて,核内因子の天然変性領域の検証を行った.次に,NMRを用いたマウスゲノム由来IDP検証実験のために,天然変性領域のみをNMR試料として得るための発現系の構築・検討を行った.IDPのモデルとしてアミロイドβ(Aβ)を用いたところ,大腸菌で可溶性タンパク質として発現させるとその多くがプロテアーゼの分解を受けてしまうが,コドン最適化されたヒトユビキチン融合発現系により不溶分画として発現させることで,Aβの収量は10倍以上増加した.更に,IDPを大腸菌封入体内で発現させ,効率よく可溶化,切断,精製を行うための豚コレラウイルス由来プロテアーゼN(pro)との融合発現系を構築中である(廣明).
|