計画研究
イネを中心に、高CO2下における光合成因子の分子メカニズムの解明と光合成機能の評価、および個体内の物質分配を定量解析し、バイオマス生産に与える影響について明らかにすることを目的とした。光合成炭酸固定酵素Rubisco量の増減(RBCS過剰発現イネと抑制発現イネ)とRBCSとRbcL遺伝子の発現量との関係、そして、生育CO2濃度との関係を解析した。RBCS発現量の増減がRbcLの発現量を決定し、最終的なタンパク質量を決定されていると判断された。生育に関しては、RBCS過剰発現イネにおいて、低温、低CO2環境では、Rubiscoタンパク量増加に顕著な効果あった。窒素吸収量とバイオマス生産量の関係を調べたところ、Rubiscoが過剰生産されることで、植物体の窒素の要求量も増えることがわかった。また、葉の窒素含量が増加することもRBCS過剰発現効果を促進させる要因であることもわかった。一方、RBCS遺伝子を個別にRNAi法にて発現抑制したイネの解析も進めた。いずれの分子種RNAi体でも、Rubisco量が10-30%程度減少した系統が選抜された。BC2F2世代に関して、高CO2条件での生育を検討した。RBCS3とRBCS5のRNAi系統において、野生型のバイオマス量を有意に上回ることが観察された。このようにRubisco量を10から30%程度減少させることは、高CO2環境で有利であることがわかった。デンプン合成の鍵酵素、葉身プラスチッド型AGPase (OsAPL1)の欠損イネ(Tos17挿入系統)に対して、バッククロスを2回かけたBC2F3個体を用いた。APL1欠損イネの圃場でのバイオマス生産量は、大気CO2条件で、野生型イネ(日本晴)と同等のバイオマス生産を示したが、FACE区(高CO2区)ではやや劣っていた。チャンバー実験でもほぼ同様な結果が得られた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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