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2009 年度 実績報告書

成長呼吸と維持呼吸の高CO2応答

計画研究

研究領域植物生態学・分子生理学コンソーシアムによる陸上植物の高CO2応答の包括的解明
研究課題/領域番号 21114007
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関東京大学

研究代表者

寺島 一郎  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40211388)

研究分担者 野口 航  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (80304004)
種子田 春彦  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (90403112)
キーワードシアン耐性呼吸経路 / ATP利用律速(呼吸) / 基質律速(呼吸) / アポプラストシグナル / 気孔 / 成長解析 / シロイヌナズナ
研究概要

本研究では、モデル草本植物のシロイヌナズナを用いて、呼吸代謝系および呼吸速度の律速要因の高CO_2条件に対する応答を明らかにすることを目的とした。
1)高CO_2条件下におけるシロイヌナズナの呼吸系の応答
地上部と根の乾燥重量あたりの呼吸速度はどちらも、測定した生育期間にわたって高CO_2条件の方が低かった。さらに390ppmv条件下の地上部の呼吸速度では,明確な日変化があったが、高CO_2条件では日変化は見られなかった。一般に、植物の呼吸速度は、呼吸基質量(基質律速)または呼吸系産物(主にATP)の消費速度(ADP律速)によって決定される。ショ糖や脱共役剤を添加することにより呼吸速度の律速要因を解析したところ、どちらのCO_2条件でも呼吸速度は主にADP律速で決定され、基質律速の程度は低かった。390ppmv下では、ATP消費速度が変化することにより、呼吸速度が日変化していた可能性がある。
2)高CO_2条件下におけるalternative oxidase(AOX)の応答
これまでの研究により、高CO_2下ではシトクロムc酸化酵素(COX)が阻害され、バスパスとなるAOXが働いている可能性が示唆されている。本研究では、高CO_2下でシロイヌナズナのAOXは働くのか、またAOXが誘導される条件ではAOXの働きがより重要になるのかということの解明を目的とした。ここでは、まずAOXが誘導される条件として、シトクロム経路が阻害され、有機酸の需要が高まるAl^<3+>ストレス条件を設定し、現在生育条件の検討を行っている。
3)気孔開度に及ぼすアポプラスト環境の影響
環境制御下で、葉および剥離表皮の気孔の挙動を経時的に顕微鏡観察するためのシステムが完成した。試料用のチェンバーは、2個の真鍮ブロック(45 x 55 x 10mm)を重ねたもので、両面はガラス張りである。試料の温度は恒温槽からの水をブロック内に循環させて制御している。チェンバーに流す気体の組成はマスフローコントローラーで、露点はペルチエ素子を用いたコンデンサで制御している。対物レンズに取り付けたライトガイドで試料を照射する。試料を乗せた濾紙をチェンバーで挟み、チェンバー外で緩衝液に浸すことで、試料のアポプラスト液組成の制御も可能である。このシステムを用いると、剥離表皮を葉肉組織に移植した状態で気孔の挙動を観察することも可能である。現在、Mottら(2008)の追試を行い、試料作成の方法について検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 研究室HP

    • URL

      http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/seitaipl/index.html

  • [備考] 新学術領域「植物高CO2応答」HP

    • URL

      http://www.plant.biology.kyushu-u.ac.jp/shinryoiki/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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