計画研究
4年間に渡って付加し続けたCO2の効果を葉面積指数(LAI; m2/m2)に注目して解析した。開放系大気CO2増加(FACE,Free Air CO2 Enrichment)施設を用いて、CO2処理は対照区(大気条件,約390 ppm)と高CO2区(500 ppm,2040年頃を想定)を各3反復設け,LAIの変動をLAI-2200を用いて調べた。光合成生産量は受光する葉の総面積に依存するため、LAIは光合成生産推定に不可欠である。大気CO2濃度が増加すると上層の葉が繁茂してLAIが増加し、階層化した林分では中層以下に到達する光量が減少し更新稚樹の生存が危ぶまれる。高CO2環境でLAIが増加すると被陰された樹冠下部の葉は落葉しLAIの増加は持続しない。一方、高CO2環境では光補償点が低下し樹体は陰樹冠の葉を一時的に維持した。成果をまとめるとLAIの小さいCO2付加初期の林分では高CO2でLAIは増加するが、CO2付加が継続するとLAIは増加しなかった。上層に位置するダケカンバ、ウダイカンバ、シラカンバは春葉を一斉開葉させた後,夏葉を順次に展開するため本属のLAIには明瞭な季節変化があった。ダケカンバは2010年に高CO2区で出葉数の増加と個葉寿命の増加及び個葉面積の増加によりLAIが増加した。ウダイカンバは2011年の夏に高CO2区で個葉面積の増加によりLAIが増加した。シラカンバでは高CO2区で2010年と2011年および2012年の初夏から夏に出葉の増加により着葉数が増加しLAIが増加した。カバノキ属3種のCO2付加によるLAIの増加率は比較的LAIが小さい成長初期において高く,LAIが大きくなるにつれ小さくなった。高CO2環境において種間の競争に変化が生じ生態系の種構成にも影響することが予測される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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