研究領域 | 植物生態学・分子生理学コンソーシアムによる陸上植物の高CO2応答の包括的解明 |
研究課題/領域番号 |
21114010
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
伊藤 昭彦 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (70344273)
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研究分担者 |
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 助教 (90422740)
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研究期間 (年度) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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キーワード | 広域スケール / 陸域モデル / 炭素循環 / メタ分析 / 葉面積指数 / 施肥効果 / 窒素循環 |
研究概要 |
植物高CO2応答を広域スケールで評価するため、メタ分析と陸域生態系モデルを用いた研究を実施した。メタ分析では、植生の葉面積指数について文献データを全球を対象にして幅広く収集し、気候要因や生物要因との関係を統計的に解析した。低温域での温度依存性、乾燥域での水分依存性の卓越が明らかになり、また植生タイプ間の違いも示された。その結果は植生機能の空間分布を解析する基礎データとなり、またモデル検証にも使用される予定である。モデル研究では大気CO2濃度上昇に伴う気孔閉鎖や光合成増加を考慮した全球スケールのモデルを用いて、過去から将来の変動を解析した。過去の大気CO2濃度上昇に伴い、光合成速度の増加による水利用効率の向上が示唆された。その際、蒸散量は葉面積の拡大や温度上昇のために必ずしも低下していなかった。これは、将来の大気CO2濃度上昇や気候変動下における植生応答を予測し、また人間社会の水資源利用を考える上でも重要な知見である。また、陸域モデルにメタン交換スキームを組み込んで、過去の地球環境変動や土地利用変化に伴って陸域のメタン収支が徐々に変化してきたことを示した。大気CO2濃度の上昇は、植生の生産力と土壌への基質供給を増加させることで、メタン生成にも影響を与えてきた可能性がある。さらに、文部科学省・革新プログラムの研究者と連携して、地球システムモデルを用いた将来予測を行う場合の、植生変動が気候にもたらすフィードバック効果について考察を行った。今後のモデル高度化として、植物応答の順化をもたらす窒素制限の導入などが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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