計画研究
本研究では、小分子RNAによる塩基対合様式が遺伝子発現制御機構に与える影響とRNA結合タンパク質による調節作用を明らかにすることを目的とした。主な研究実績は次のとおりである。(1) miRNAサイレンシング効率の定量的解析:miRNAは塩基配列特異的に遺伝子発現を抑制する。我々はmiRNAによるサイレンシングの効率を、塩基対合の熱力学的性質をNearest-neighbor法を用いて数値化し、数式を用いて定量化することに成功した。このような塩基対合の熱力学的性質は温度によって大きな影響を受けるが、それぞれの生物種において保存されているmiRNAの種類は、体温あるいは生育温度と強い相関関係があることを明らかにし、miRNAが進化の過程において温度による選択を受けている可能性を示した。(2) TNRC6AによるArgonaute-miRNAの核―細胞質間輸送機構の解明:miRNAによる遺伝子抑制は主として細胞質で起こる現象であると考えられてきた。しかしながら、我々はRNAサイレンシングにおける翻訳抑制機構に重要な役割をもつTNRC6Aが核移行シグナルと核外移行シグナルの両方をもち、小分子RNAとAgoタンパク質の核―細胞質間輸送タンパク質として機能することを明らかにした。(3) RNA結合タンパク質TRBPとPACTの機能解析:2本鎖RNA結合タンパク質であるTRBPおよびPACTは、両者とも3つの2本鎖RNA結合ドメインをもつ、良く似た構造のタンパク質であるが、その機能がどのように区別されているかは不明であった。我々は、TRBPまたはPACTとsiRNAおよびDNA-RNAキメラ型siRNAとの親和性は詳細に解析し、両者のsiRNAへの親和性は大きく異なることを明らかにし、siRNAはTRBPと強く相互作用していることを示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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