計画研究
小分子RNA作用マシナリーが果たす生理機能とそのメカニズムの解析を目的として、本年度は以下の解析を行った。[miRNA] マイクロRNAの一つmiR-153の欠損マウスにおける薬物依存性異常の解析を以下のようにさらに推進した。①マウスの行動実験によりcocaine conditioned preference試験のみならず、コカインへの感受性やsensitizationにも異常があることがわかった。②そのメカニズムの一つとしてモノアミン代謝の異常を組織をdissectionする系を用いて明らかにした。③ヒト疾患との関連性の解析を行ったが、関連性を明らかにすることはできなかった。[piRNA] 昨年度までに、EGFPのセンス鎖とアンチセンス鎖を発現するトランスジェニック(Tg)マウスの交配により、piRNA依存的にEGFP遺伝子に対するDNAのメチル化と、EGFP遺伝子の発現抑制が生じることを明らかにした。今年度は、このシステムを内在性の遺伝子に応用する目的で、マウス胎仔精巣内でDnmt3Lのアンチセンス鎖を発現するTgマウスを作製した。その結果、このTgマウスの胎仔精巣では、Dnmt3Lの配列を持つpiRNAが産生され、Dnmt3L遺伝子にDNAメチル化が獲得されてDnmt3Lの発現が低下し、その結果、このTgマウスはDnmt3L欠損マウスと同様の表現型を示した。すなわち、piRNAの二次生成やpiRNAを介するde novo DNAメチル化を人為的に起こすシステムは、内在性遺伝子にも応用可能であることを示している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
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