ショウジョウバエの中枢神経系に特異的に発現するMRE32 RNAについて、in situハイブリダイゼーション法により胚発生における発現様式を解析した。MRE32 RNAはステージ10より胚中心線の神経細胞で発現を開始し、ステージ11では未同定の脳半球の一部の神経細胞で、ステージ12では中心線より側方側の神経細胞でも発現が見られるようになる。ステージ13では中心線の発現が消え、ステージ15では側方の神経細胞の発現も消えて、脳半球の一部でのみ発現が継続する。MRE32の細胞内発現は細胞質全体ではなく、ドット状に観察されるが、その詳細は不明である。 また、神経細胞の核内に局在する長鎖ノンコーディングRNAであるGomafuと相互作用するタンパク質を同定するため、RNA結合ドメインを持つタンパク質に対するカスタムsiRNAライブラリーを作製し、特定の遺伝子をノックダウンした細胞におけるGomafuの局在を調べたところ、特定のスプライシング因子がGomafuの安定化に関わっていること、また、このスプライシング因子がGomafu相互作用因子として我々が同定していたSF1と細胞内で共局在を示すことが明らかとなった。
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