計画研究
(1)着床前胚での細胞間接触情報による栄養外胚葉と内部細胞塊の分化制御機構について、Amotの関与を明らかにした。接着結合のE-カドヘリン複合体にAmotが結合しているとAmotがリン酸化を受けてHippo経路を活性化する。さらに、Amotの分布の違いが、胚の内外でHippo経路の活性化レベルの違いを生み出すことを明らかにした。胚の内側の細胞では、Amotが接着結合に存在するためにHippo経路を活性化するが、外側の細胞では、細胞が頂端-基底の極性化をしていることで、Amotが側方・基底の接着結合から排除され、Hippo経路が活性化されない。(2)脊索と内胚葉の核でEGFPを発現するマウスを作製し、着床後のマウス初期胚において、蛍光ライブイメージングを行い、脊索細胞の形態形成運動を解析した。その結果、収斂伸長という形態形成を行う際に、細胞が中央に収斂するだけでなく、細胞の向きが、左右方向から前後方向に変わることを見出した。このような細胞の動きは、胚と胚体外の組織によって作られる羊膜腔が膨張することにより、脊索が前後に引っ張られて起こる。さらに、羊膜腔の膨張は収斂伸長にかかわる平面内細胞極性(PCP)シグナルが働くためにも必須であり、胚体外の組織が、胚の発生に必要な力を生み出していることを明らかにした。(3)核内因子Sall4を欠失する始原生殖細胞(7.5日胚)では、体細胞プログラムが脱抑制されている。これは、Sall4がHDAC複合体をリクルートして、Prdm1と共に体細胞プログラム遺伝子を抑制するためであることを解明した。また8.5日胚の後端部に位置するT陽性の細胞集団が腎臓の起源であることを見いだし、マウスES細胞及びヒトiPS細胞からT陽性細胞を経由して、腎臓組織を試験管内で誘導することに成功した。これは立案当初には予期しなかった成果であり、佐々木と西中村の共同研究が実を結んだものである。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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