細胞の性質を決める因子群の挙動と機能の解析 Nanogプロモーターの下流でGFPを発現するマウス胚を用いて、胚盤胞に至る時期までのライブイメージングを行った。そのデータを元に、胚の中の各細胞でのNanogの発現量の経時的解析を行った。その結果、Nanogの発現は3段階の制御が行われていることが明らかになった。また他の遺伝子に関してはレポーター用BACの作製を開始した。今後順次トランスジェニックマウスの作製を進める。 着床直後からの胚発生をin vitroで再現する培養法の確立 前側臓側内胚葉(AVE)をGFPで標識したトランスジェニックマウス胚を用いて、胚盤胞からの培養条件を検討した。依然正常発生する効率は低いが、ゲル内で発生させることで比較的形態の保たれた発生を再現することに成功した。一方で、胚を培養しながら蛍光画像を取得する新たな顕微鏡システムに関しても、CO2インキュベーターを基盤とするシステムの開発に着手した。現状では、LSM装置とCCDカメラの結合部などに調題があるが、画像取得ができる段階にまで進んだ。 胚の細胞内小器官を蛍光標識するマウスの作製 理化学研究所発生・再生総合科学研究センターの変異マウスユニットとの共同開発で、核、細胞膜、細胞骨格などを蛍光タンパク質で標識するマウス7)作製を進めている。現段階でいくつかのマウスが作製された。着床前胚および、着床後の7日目胚を中心にそれぞれの蛍光タンパク質の局在を確認する作業を開始した。
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