研究概要 |
細胞の性質を決める因子群の挙動と機能の解析 着床前胚における細胞分化に関連するCdx2,Klf4,Gata6遺伝子の発現を蛍光タンパク質で可視化するBACトランスジェニックマウス系統を樹立した(豊岡)。また、これらのマウス胚の観察用の新規の顕微鏡システムを完成した。 着床直後からの胚培養をin vitroで再現する培養法の確立 昨年度に引き続き条件検討を行い、本年度は細胞外基質を胚の外側におく条件を探った。比較的形態的には良好な胚発生がみられているが依然確率が低い為さらなる改善が必要である。更に、この培養を連続観察するために、高度に環境を調節されたタイムラプス装置の改良を進めた。 胚の細胞内小器官を蛍光標識するマウスの作製 細胞骨格、膜、ゴルジなどの細胞内に局在する蛍光タンパク質を発現する一連のノックアウトマウス系統を作製し、論文として発表の準備をすすめた。今後これらを広く一般に公開する。 ウサギを用いた哺乳類初期発生の解析 着床前に前後軸形成が終了するウサギ胚を用いた解析を開始した。胚葉形成、体軸形成をモニターする為の数十の遺伝子発現を体軸形成までの時期の各段階でqPCRを用いて解析した。その結果マウスとは挙動の異なる分子が存在することが示唆された。 ES細胞を用いた初期胚の特性の解析 初期発生過程に特異的に起こるimprinted X inactivationに必要なX染色体上の情報は、ES細胞では完全に消去されている事を、試験管内分化誘導系ならびにクローン胚作成により確認した。(丹羽)
|