計画研究
本研究では、ショウジョウバエ自然炎症における内在性リガンド、そのリガンドを感知するセンサー、内因性リガンド放出メカニズムの解明、および、内因性リガンドに応答するカスパーゼ活性動態の検出ツール開発を目指した研究である。ハエは個体レベルでの遺伝学的検索が可能であり、内因性リガンドと病原体センサーの検索に遺伝学を導入できる。我々は、ショウジョウバエ唯一のNOD様タンパク質であるカスパーゼ活性化因子dapaf-1の機能欠損変異体に組織傷害を与えると数日の内に個体死することを見出した。2013年の成果としては、このdapaf-1における個体致死がどのような経緯で生じるか明らかにし、国際誌Cell Reportsにおいて報告した。上皮に損傷を加えた場合、腸細胞においてカスパーゼの活性化が生じ、腸細胞のターンオーバーによって体内の恒常性が維持されて生存するが、dapaf-1の変異体においては、腸細胞のターンオーバーが起こらず、個体死することが明らかになった。我々は体液交換実験により、この個体死の原因がdapaf-1変異体における致死活性因子の蓄積にあることを突き止めた。この致死活性因子の候補因子として、これまでに進めてきたオミクス解析に基づき解析を行い、今年度(2014年)の成果として、Cell Reports、およびJBC、に報告した。細胞死不全変異体における炎症応答の過剰な活性化が、個体において脆弱性をもたらすメカニズムを提示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 5件)
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