研究分担者 |
石黒 浩 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10232282)
小泉 智史 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (70418531)
中村 泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70403334)
住谷 昌彦 東京大学, 医学部付属病院, 助教 (80420420)
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研究概要 |
21年度は,これまでの研究成果を踏まえながら,本学術領域「ロボット共生学」全体の目標である「ロボットによるよい聞き手の実現」へ向けて以下の研究を行った. (1) 表情を表出可能なアンドロイド研究プラットフォームの開発 従来のアンドロイドと比較し,アクチュエータの自由度を12と大幅に抑えつつも「微笑み」や「快・不快」などのコミュニケーションに欠かせない表情生成の性能を向上し,家庭用電源の100V電源で駆動可能,コンプレッサーのサイズが1/4,バルブコントローラを本体内に内蔵,ロボットの設置面積も小さくなるなど,様々な環境に設置することを想定した設計とした. (2) 人間が自然に感じるロボットの制御アルゴリズムの研究 人間同士が会話をしているのを横で聞いている時のアンドロイドの動作を,より自然に見せるための制御方法について研究を行った.まず同様の状況での人の場合の動きを撮影し,視線の方向と,視線が遷移する時系列パターンを取得した.この動作パターンを確率的な状態遷移としてモデル化し,ロボットに実装した.この動作を行うアンドロイドの評価実験を行った結果,従来の待機動作に比べて,よりアンドロイドが話を聞いている印象を人に与えられていることが示された. (3) 病院での実証実験 大阪大学附属病院の倫理委員会の承認のもとで,麻酔科外来診察室にロボットを設置し,アンドロイドの動作が患者に与える心理的影響を調べる実証実験を開始した.また,次のステップとなる東大病院の麻酔科外来診察室における実証実験についても,実験内容の検討を開始した.
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