研究概要 |
本年度は,人間社会で人と共生するロボットを実現するために必要となる,ロボットの周囲の人々の位置や注視行動などの基本的対話行動認識技術の確立を目的として,ハードウェア・ソフトウェアの両面から研究開発を行った.具体的には,以下の二つの項目に関する研究開発を行った.さらに,基本的対話行動を認識するために必要な要素技術に関する研究開発を行い,複数の論文が採録された. A: 無線センサモジュールのハードウェア開発 基本的対話行動認識のためのユビキタスセンシングシステムを構成する無線センサモジュールのプロトタイプを開発した.開発したセンサモジュールは,基本的対話行動データを取得するために必要となる,画像・音声・距離情報を取得することが可能である.さらに,計測・センサ情報処理用PC,電源,無線通信ユニットを全て搭載しているため,実験環境への設置作業が容易で利用しやすい。この基本的対話行動認識用無線センサモジュールを利用し、距離情報と音声情報などのマルチモーダルな情報を統合することで、どこで対話が行われているか、などの、人ロボット共生のための新しい環境情報を取得することができるようになった。 B: 無線センサモジュールのソフトウェア開発 各無線センサモジュールがネットワークを通じてセンサデータを送信するための,基礎的なソフトウェアの開発を行った.さらに,各無線センサモジュールが近隣のセンサモジュールとの無線通信を確立し,安定した通信経路を自己組織化するためのソフトウェアを開発した.このソフトウェアを利用することで,複数のセンサモジュールを利用した場合でも安定した通信が可能となり,頑健なユビキタスセンサネットワークを構築することが可能になった
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