研究概要 |
人ロボット共生社会を実現するためには,ロボットが,人とそれを取り囲む環境とを正確に分析,理解するとともに,人間に対して適切な方法で適切な働きかけ(コミュニケーション)をすることが必要となる.ロボットのコミュニケーションとは,人・ロボット間のコミュニケーションだけではなく,ロボット相互間,ロボット・環境間のコミュニケーションも含めたものであり,そのための手段(モダリティ)も言語,音声,音,光,身振り,動作,など多様なものとなる.このロボットのコミュニケーションに関する基盤技術の確立を目指し,本年度は,以下の研究成果をあげた. (1) ロボットのコミュニケーション戦略決定技術 クイズ対話による思考喚起型多人数音声対話システムプロトタイプの構築,及び,対話統計データからの自然な行動制御手法提案と認識・生成統合モデルの高精度化(定式化)を実施した.戦略決定のための基盤技術であるPOMDPの構築環境を整備し,様々な対象、環境の対してPOMDPを適用していくための準備が整った. (2) ロボットのコミュニケーションモダリティ設計・統合化技術 (A) 思考喚起型多人数対話の制御知識の獲得 対話工ージェントの感情表出メカニズムによるコミュニケーション活性化効果の実証し,方策勾配型強化学習に基づく対話戦略適応手法を提案した. (B) 共感喚起型対話のオープンドメイン化 協調フィルタリングを用いたユーザ発話予測手法の提案をするとともに,対話エージェントの応答生成のための対話データ収集法の有効性を検証した.
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