研究領域 | 人とロボットの共生による協創社会の創成 |
研究課題/領域番号 |
21118004
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 |
研究代表者 |
前田 英作 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 企画担当, 部長 (90396143)
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研究分担者 |
南 泰浩 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, メディア情報研究部, 主任研究員 (70396208)
堂坂 浩二 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, メディア情報研究部, 主任研究員 (70396191)
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キーワード | 質感 / 光沢感 / 色覚 / カラーディスプレイ / 透明感 / 画像統計量 / マルチモーダル |
研究概要 |
人ロボット共生社会を実現するためには、ロボットが人とそれを取り囲む環境とを正確に分析、理解するとともに、人間に対して適切な方法で適切な働きかけ(コミュニケーション)をすることが必要となる。このロボットのコミュニケーションに関する基盤技術の確立を目指して研究を進め、H23年度の主たる成成果は、以下の3点である。 (1)【対話制御における統計的意思決定モデルの検討】非タスク指向型対話の対話制御にPOMDPを利用するための基本技術を確立し、「聞き役対話」などへの実装を試みた。非目的指向型対話の制御をPOMDPを用いて統計的制御をする研究は、世界的にも新しく、国際的評価も高い。但し、本手法を標準的な汎用手順として実現するためには、大量な学習データの収集、計算量の軽減、報酬の定義など解決すべき課題も多く、まだ研究は端緒についたところであり、今後の検討が重要。 (2)【複数ロボット・複数人環境下での思考・共感喚起型対話の実現】思考・感情喚起型インタラクションという新しいコミュニケーション形態に着目し、感情・内容・タイミングの3つレベルで、ロボット対話行動を複数のモダリティにより表出するためのロボット対話戦略生成技術を開発、計画通りの研究成果が得られた。 (3)【複数モダリティを対話手段としたロボットのコミュニケーション戦略の生成】意思決定方式の観点からは、人間の潜在的な情報要求の推定に基づく新たな情報提示タイミング決定方策を提案し、論文として採録された。対話処理の観点からは、音声言語という言語モダリティと身振りという非言語モダリティの双方を使った対話戦略に着目し、ロボット対話行動のユーザ適応によりコミュニケーションの円滑さが向上するなどの結果を得ることができた。 上記成果を踏まえ、H24年度以降A03班との協力により、協調学習支援に向けた検証実験につなげる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
南,堂坂両氏を中心に,非目的指向型対話の制御技術,ならびにその効果の検証が着実に進んでいる.優秀な若手人材の獲得に成功すれば,研究の進展はさらに早くなると予想される.
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今後の研究の推進方策 |
今後は、マルチモーダルな入出力手段を利用した人・ロボットの会話プラットフォームを構築するとともに、協調学習に関する研究(A02、A03班)と連携しながら、協調学習場面における会話プロセスのモデル化と、対話プラットフォームを本新学術領域の基本ツールに仕上げることに注力する。具体的な研究項目は、(1)協調学習場面における会話プロセスのモデル化,(2)会話プロセスの状態推定とロボットの会話行動生成への応用,の2つである。
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