研究領域 | 人とロボットの共生による協創社会の創成 |
研究課題/領域番号 |
21118004
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 |
研究代表者 |
前田 英作 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 所長 (90396143)
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研究分担者 |
堂坂 浩二 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70396191)
南 泰浩 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, メディア情報研究部, 主任研究員 (70396208)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 対話 / ロボット共生 / 意志決定 / 統計モデル / 協調学習 |
研究実績の概要 |
前年度の実験において収集した対話データを利用して,協調学習場面における会話プロセスの状態推定技術を検討するとともに,半自動化に向けた協調学習対話システムのプロタイプの構築と評価を行った.具体的には下記. (1)ユーザ発言の自動分類:前年度に収集した協調学習場面の対話データを使い,ユーザ発言の自動分類器の学習・評価を行った.全単語の出現有無を特徴量とし,SVMを用いることで,80%の精度を実現.(2)ユーザ理解状態(対話状態)の推定:ユーザ発言時点のユーザ理解状態(対話状態)を推定するif-thenルールの作成・評価を行った.協調学習場面の対話データを分析することにより,49個のif-thenルールを作成.80%程度の推定精度を実現.(3)音声認識:現存する全ての対話データを用いて,言語モデルの適応を行い,音声認識率を38%から54%まで改善.(4)対話行為の推定:SVMを用いて実験参加者の対話行為を推定.過去の対話履歴キャラクタ毎の特徴量を用いることにより,70%の識別率を達成した.(5)対話状態の推定:HMMを利用した対話状態の推定を行い,60%の精度を実現.(6)POMDPを用いた対話処理系の実現:対話状態の構造からPOMDPへ変換する手法を検討.理論的な枠組はほぼ完成.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A03班の協力を得て,当初目的に向けた検証実験に着手し,ほぼ計画を達成.但し,堂坂の転出・異動により,実験環境の新規構築,共同研究契約の締結などが必要となり,一部計画が遅れた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,まず,人・ロボット間の対話のモデル(対話プロセスモデル)を使って,ルールベースの対話状態推定法とリボイス生成法を開発し,生成されるリボイスの評価を,WOZ対話で人間のオペレータが生成したリボイスのタイミング・内容との近さや,人間の評価者による主観評価を利用して行う. さらに,会話プロセスモデルの分析結果を利用してユーザシミュレータを作成し,部分観測マルコフ決定過程(POMDP)による対話制御の評価を行う. 人・ロボット共生におけるロボットの行動制御について,POMDPを利用する上での利点,課題を整理する.
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