研究概要 |
本計画研究は,領域提案の人ロボット共生学のなかでも特に,人間社会の中で高度に知的で創造的な協調活動を誘発し,人々の間の相互作用の質を向上させる新たな役割を担うロボットの位置づけをはっきりさせることを狙いとしている.「他人」としてのロボットを介することで,自分自身とあるいは他人とのやり取りを今までよりもスムーズにし,人間の相互理解がこれまでより格段に進む未来社会にむけた新たな学術領域提案の一翼を担うことを目的とする.具体的には,(1)ロボットを「聞き手」とする自己学習支援,(2)ロボットが「知識の編集を手伝う」ことによる学習支援,(3)ロボットによる参加型学習現場での知的創造性支援の三課題について,ロボットが実際協調学習や知的創造性を支援することを実証する. 1) 予備分析,評価方法の開発等 これまで蓄積してきた協調的学習プロセスデータについて,参加型学習での理解深化を促進要因を同定する枠組みと分析手法を開発し,検証した.対話の知識を共同体レベルの知識として可視化し個々の学習者の貢献度を分析する評価手法の検討,複雑系ネットワーク科学の分析手法を応用したグループの知識発展様相の数量化を行うと同時に,個人貢献度の指標化方法の開発に着手した. 2) 研究用プラットフォームの準備 22年度より本格的な実験に取りかかるための準備として東京地区の実験場所を確保し,総括班から支援を受けネットワークロボット環境(センサネットワークとロボットを組み合わせたもの)の準備を進め,実験を行うためのプラットフォームを構築した. 3) ワークショップ・シンポジウムでの研究計画の告知と今後の共同研究についての検討 3月に開催された国際会議ワーショップ5th ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interactionならびに情報処理学会創立50周年記念全国大会において本計画研究が目指す新しい研究の方向と今後の研究計画を発表し,海外の研究者と今後の共同研究の可能性について検討した.
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