研究領域 | 現代社会の階層化の機構理解と格差の制御:社会科学と健康科学の融合 |
研究課題/領域番号 |
21119004
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
小塩 隆士 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50268132)
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研究分担者 |
阿部 彩 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 部長 (60415817)
大石 亜希子 千葉大学, 法経学部, 教授 (20415821)
浦川 邦夫 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90452482)
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研究期間 (年度) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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キーワード | 所得格差 / 貧困 / 子ども / 主観的厚生 / 健康 |
研究概要 |
本研究は、所得格差の拡大傾向や貧困リスクの高まりの動学的なメカニズムを解明するとともに、所得格差や貧困が子育てや介護、子どもの健康、就業行動、主観的な幸福度や健康意識に及ぼす影響を、多目的共用パネル調査「まちと家族の健康調査」やその他調査の利用、ほかの計画班との連携を通じて検討することを目的として研究を進めた。平成25年度は、その成果を国際シンポジウム(平成23年8月31日-9月1日)や数回にわたる学会・研究会での報告のほか、多くの論文や単行本の形でまとめた。その内容としては、以下が挙げられる。 第1に、アマルティア・センのケイパビリティ・アプローチの視点から、仕事に対するケイパビリティと仕事満足度との間にどのような関係があるかを検証した。ケイパビリティの水準と仕事満足度には密接な正の相関関係があり、高い学歴や子ども時代の社会階層が、ケイパビリティの向上に一定の役割をはたしていることが示唆された。 第2に、パートタイム就労がワーク・ライフ・コンフリクトを軽減し主観的満足感を向上させるかどうかについて、アジア諸国のデータを用いた分析を行い、欧米の研究成果と比較した。 第3に、子供時代に親から受けた虐待やネグレクト、学校でのいじめ経験が、成年期の幸福度や主観的健康感に及ぼす長期的な影響を確認するとともに、その影響が学歴や所得、就業上の地位などの社会経済要因や社会的サポートによって媒介される度合いが小さいことを解明した。 第4に、子供時代に親から受けた虐待やネグレクト、学校でのいじめ経験が、成年期の精神健康に及ぼす影響が学歴や所得、就業上の地位などの社会経済要因、あるいは社会的サポートによって媒介される度合いが限定的であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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