研究領域 | 現代社会の階層化の機構理解と格差の制御:社会科学と健康科学の融合 |
研究課題/領域番号 |
21119007
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
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研究分担者 |
中田 知生 北星学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (10265051)
神林 博史 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20344640)
盛山 和夫 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50113577)
木村 好美 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90336058)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 社会階層 / 健康格差 / 社会保障制度 / ソーシャル・サポート / 多目的共用パネル調査 |
研究実績の概要 |
昨年度、福岡市で実施した「仕事と健康に関する調査」と同様の調査を、2012年11月から2013年1月にかけて仙台市で実施した。仙台市の各区の選挙人名簿から、中央調査社に委託して25歳から39歳の男女5,000サンプルを抽出し、調査票を郵送した。その結果、1,405名から有効回答をえることができた(有効回収率28%)。主要な調査項目は、福岡調査と同じく1)若年層の労働条件とメンタルヘルス、2)社会参加、3)生活習慣 4)心理項目(ソーシャルスキル、主観的幸福感など)であるが、東日本大震災による被災状況に関する質問を付加した。 また、8月9日に行われた「社会階層と健康」第5回定例シンポジウムに参加し、次の報告を行った。「労働条件と健康(1):「健康上の理由」による離職の原因と影響」神林博史、「労働条件と健康(2):仕事特性と努力-報酬不均衡」片瀬一男。これとは別に、12月5日の第9回定例シンポジウムにおいて、次の報告をおこなった。「労働条件と口腔疾患・生活習慣」坪谷透。さらに、8月30日に関東学院大学KGU関内メディアセンターで行われた第54回日本数理社会学会で神林博史がコーディネータとなって「社会階層と健康:社会学と他領域との連携の可能性を探る」をテーマにシンポジウムを開催した。報告テーマとシンポジスとは下記の通りであった。「社会階層と健康─疫学のアプローチ」 近藤尚己、「経済学は健康にどうアプローチしてきたか」浦川邦夫、「健康の階層差研究における社会関係資本の位置づけ」杉澤秀博。また、10月3日に札幌学院大学で行われた第85回日本社会学会では、A01班から提供を受けた多目的パネル調査データJ-SHINEをもとにA06班のメンバー5名による報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
独自調査実施の時期が、サンプリング作業の遅れなど諸般の事情で年度末となっているが、郵送調査としては標準的なサンプル数が確保されており、それにもとづく分析もほぼ順調に進んでいる。 またA01班から提供を受けた多目的共用パネル調査のうち、地域パネルデータのJ-SHINEについても分析を行い、上述のように定例研究交流シンポジウムで報告したほか、平成24年10月に札幌学院大学で行われた第85回日本社会学会でA06班のメンバー5名による報告を行った。 同じく職域パネルデータJ-HOPEについても、現在、分析が進行中であり、平成24年度に引き続き、25度にはその成果を報告する準備が整いつつある。とくに平成25年度は最終年度でもあるので、夏に予定されている国際会議をはじめ、各種学会で報告を行っていく準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ、大幅な研究計画の変更等は予定していない。今後は仙台市と福岡市での独自の調査研究の分析も進め、首都圏を中心としたJ-SHINEやJ-HOPEのパネルデータと、地方都市の若年労働者を対象としたデータとの比較を行い、社会階層(とくに労働条件や従業上の地位)や社会関係資本と健康(とくにメンタルヘルス)との関係について、地域差も含めて本格的な分析をすすめ、最終年度の国際学会などでの成果の公表を目指していく。
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