研究領域 | ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明 |
研究課題/領域番号 |
21120008
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水原 啓暁 京都大学, 情報学研究科, 講師 (30392137)
|
研究分担者 |
乾 敏郎 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30107015)
笹岡 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助教 (60367456)
|
研究期間 (年度) |
2009-07-23 – 2014-03-31
|
キーワード | 認知神経科学 / コミュニケーション / 言語理解 / 動作模倣 / 神経回路 / 脳機能イメージング / 身体性 / 社会脳 |
研究概要 |
言語・非言語でのコミュニケーションの神経原理について,神経振動子の引き込み協調を主として,その神経活動のダイナミクスに着目して研究を実施した. 言語コミュニケーションに関しては,文の理解が脳内に分散した神経活動の同期発射により実現されるとの予見のもと脳波計測実験を行った.脳波実験の結果から,文の理解においてはシータ波と呼ばれる緩やかな脳波の位相同期により,脳の広範な部位において表象している言語情報を動的に統合するとする分担者の乾の仮説(2010)を支持する結果を得た.また音声コミュニケーションについて,話者の顔を見ることによるコミュニケーションの促進が,聴取者の脳波の振動子協調により実現されているとの仮説のもと脳波計測実験を実施した.その結果,聴取者の脳内の神経振動子が,話者の顔などの動き表出するリズムに引き込まれることで,音声コミュニケーションが促進するという仮説を支持する結果を得た. 非言語コミュニケーションに関しては,他者の存在により脳内回路が変化するかを検証した.この研究課題においては,共同でゲームを遂行する他者が協力的な場合と非協力的な場合を設定し,他者の状況によって脳内回路の結合が動的に変化するかを機能的MRIの結合解析により検証した.ただし,上記の言語・非言語コミュニケーションに関する三課題は全て脳内での神経回路の動的な変化に関するものであり,脳と脳の間での神経振動子の引き込み協調によりコミュニケーションが実現されているかは不明である.そこで,協調的な動作を実施中の2者の脳波を同時に測定することで,コミュニケーション中に2者の脳波の引き込み協調が発生することを示した.これらの研究結果は,神経振動子の引き込み協調が,単に脳内の情報コミュニケーションを実現しているのみならず,脳間のコミュニケーションをも実現する共通原理であることを示している.
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|