研究実績の概要 |
コロナの影響で止まっていた人のMRI実験を大規模に開始した。触覚情報を共有する前後で、安静時機能結合及び解剖画像、拡散強調画像を60名の被験者から取得した。具体的には、被験者は、70名 (女性=34名、平均年齢=21.1歳)であった。触覚情報を随伴しZoom上で会話をする触覚コミュニケーション群 (n=36名)と、通常に会話をするコントロール群 (n=34名)を作成した。被験者は、話し相手 (実験者)と簡単な自己紹介をした後、各条件のもと15分間会話を行った。会話内容は、Aronらが作成した、相手との心的距離感を変化させないような会話(質問リスト)に沿って行われた(2)。会話中、触覚コミュニケーション群では、参加者の会話内容に承認や同意を示すタイミングで触覚情報が付与された。被験者は、会話の直線・直後に、3T MRI (Siemens PRISM)によりrs-fMRI (TR = 1500 ms, TE =30 mm, FOV = 196 mm×196 mm, thickness = 2 mm, lasting for 10 min)を取得した。取得したrs-fMRIデータの前処理には、SPM12上で動作するCONN Toolbox (v21a)を利用した(3)。他者からの承認や同意(社会的報酬)は、線条体を賦活するという報告があることから(4,5)、線条体をシードに設定し、seed-to-voxel analysisを行った。内観報告に基づき触覚情報を感じることができなかった参加者 (25名)を除き、2要因の分散分析[グループ (触覚・コントロール)×時間 (会話前・会話後)]を実施した。
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